オーストラリアのワーホリを2年目(セカンドビザ)に延長するには、指定地域での規定労働88日が必要です。多くの人が選ぶのがファーム(農作業)。ただし「どこで・何を・いつ」やるかで、稼ぎも達成のしやすさも大きく変わります。
本記事では、88日の基本ルールと正しい数え方・対象の仕事と地域・稼げる作物と収穫カレンダー・時給と歩合のリアル・悪質ファームの避け方を2026年最新のリサーチでまとめました。国全体の制度はオーストラリア ワーホリ完全ガイド、都市生活はシドニー・メルボルン生活ガイドを併せてどうぞ。
セカンドビザとは:88日の基本ルール
ワーホリビザ(subclass 417/462)で1年目に指定地域(regional postcode)で規定労働を88日行うと、2年目のビザに申請できます。さらに条件を満たせば3年目(179日)も可能。ファームはこの「規定労働」の代表格です。
・対象:農業(収穫・栽培・畜産)/漁業・真珠養殖/林業/鉱業/建設 など
・場所:内務省が指定するregional postcode(シドニー・メルボルン・ブリスベン等の大都市は対象外)
・賃金:Pastoral Award のカジュアル最低時給 30.91 AUD(2026)
出典:Home Affairs/Fair Work Pastoral Award(2026)。確認日 2026-07-15。制度は変更されうるため申請前に公式確認。
88日の正しい数え方(ここが最重要)
「88日働けばいい」と単純に考えると足元をすくわれます。数え方のルールを理解しておきましょう。
- フルタイム(週35〜40時間程度)なら週末もカウント:週5日勤務が7日換算になる場合がある(=実質約3ヶ月で達成)。
- パート・カジュアルは実働日のみ:働いた日だけが加算。天候で休みが多いと日数が伸びる。
- 複数の雇用主・非連続でもOK:ただし各期間の証拠が必要。
- 証拠を必ず保管:給与明細(payslip)・銀行明細・雇用契約。雇用主のABNが明細と一致していること。数年後に入管から提示を求められることもある。
88日は書類で証明するもの。給与明細やABNが出ない職場だと、働いても日数として認められずビザ申請で無効になるリスクがあります。契約前に「payslipは出るか」「ABNは何か」を必ず確認してください。
稼げる作物と地域(季節別)
ファームの稼ぎは作物と時期でほぼ決まります。歩合(ピースレート)で稼ぎやすい代表格は次のとおり。
| 作物 | 時期 | 主な地域 | 稼ぎの目安 |
|---|---|---|---|
| チェリー | 11〜12月 | VIC/TAS/NSW(Young=チェリーの首都) | 速い人で1日300〜400AUD超 |
| マンゴー | 9〜12月 | NT/QLD | 経験者で1日250〜350AUD(重労働・高温) |
| ぶどう | 2〜3月 | VIC(Mildura=収穫の名所) | 繁忙期に多数のバックパッカーが集まる |
| バナナ/野菜 | 通年 | QLD(Atherton Tablelands/Bundaberg) | 通年で安定・初めての人向け |
| メロン等 | 冬季 | WA(Kununurra) | 遠隔地プレミアムで高めの傾向 |
出典:farmworkaustralia・myvisatracker 等(2026)。稼ぎは個人差・条件差が大きい。確認日 2026-07-15。
収穫カレンダー:周遊ルートの例
全国の繁忙期は11〜4月(2月がピーク)。作物を追って移動すれば、稼ぎながら88日を効率的に貯められます。周遊の一例:
- 9〜12月:NT/QLDでマンゴー
- 11〜1月:VIC/TAS/NSWでチェリー
- 1〜3月:ストーンフルーツ(桃等)
- 2〜4月:Milduraでぶどう
- 4〜6月:りんご
- 通年:QLDでバナナ・野菜(切れ目なく働ける)
時給制か歩合制か:稼ぎのリアル
ファームには時給制(hourly)と歩合制(piece rate=収穫量で決まる)があります。慣れて速く採れる人は歩合が有利、初心者や採りにくい作物は時給が安全。歩合でも最低賃金保障のルールがあるため、極端に低い契約は要注意。目安としては、慣れれば週800〜1,200AUD、繁忙期の好条件ならそれ以上も。
📱 ファーム地帯は電波が弱い。到着前に通信を確保
地方のファームは携帯の電波が弱いエリアも多く、仕事探し・連絡・地図に通信は必須。eSIMを出発前に用意しておけば、都市に着いた瞬間から使え、地方移動前に現地SIMの準備も進められます。
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悪質ファーム・トラブルの避け方
- 明細・ABNが出ない→ 88日として認められないリスク。契約前に確認。
- 過度なピースレートで最低賃金割れ→ 最低賃金保障の有無を確認。稼げない作物・畑は早めに見切る。
- 宿泊費・送迎費の天引きが高すぎる→ 手取りベースで計算。ホステル併設ファームは条件を精査。
- 前払い・保証金を要求される→ 悪質な仲介の可能性。正規の求人・エージェント経由を。
ファームの仕事の探し方
ファームの求人は、都市の仕事とは探し方が少し違います。主なチャネルは次のとおりです。
| 探し方 | 特徴 |
|---|---|
| 求人サイト・掲示板 | backpackerjobboard等。収穫地・作物・時期で検索できる |
| ワーホリ向けエージェント | ファーム紹介に強い会社も。制度相談も一緒にできる |
| 現地の口コミ・紹介 | 先に働いている仲間の紹介が確実。バックパッカー宿で情報交換 |
| ホステル併設ファーム | 宿と仕事がセット。ただし宿泊費・条件は精査を |
ポイントは「繁忙期の少し前に動く」こと。収穫のピークに人手が必要になるので、その直前に応募すると採用されやすい。逆にシーズンを外すと、仕事が見つからず滞在費だけ減っていきます。仕事の探し方 完全版の「数を打つ・事前に動く」の原則はファームでも同じです。
ファームの1日と暮らし
ファームワークは体力仕事で、生活も都市とはかなり違います。イメージを持っておくと、ギャップで消耗しません。
- 早朝スタート:暑くなる前に作業するため、朝5〜6時開始も珍しくない。
- 天候に左右される:雨だと作業ができず、その日は収入ゼロのことも。
- 住まいは宿・シェア:ファーム近くのバックパッカー宿やシェアハウスに滞在。住居費は都市より安いことが多い。
- 多国籍の仲間:世界中のワーホリ生が集まり、濃い人間関係が生まれる。
失敗:歩合制で採れず最低賃金割れ/天候不良で収入が読めず資金が尽きる。
回避:時給制か歩合制か・最低賃金保障の有無を契約前に確認。ある程度の予備資金を持って入る。稼げない畑は早めに見切って移動する判断も大切です。
セカンドビザ申請の流れ(88日達成後)
88日を満たしたら、2年目のビザを申請します。準備しておくべきは働いた証拠です。
- 各期間の給与明細(payslip)・銀行明細・雇用契約を保管する
- 雇用主のABNが明細と一致しているか確認する
- 必要日数(88日)を満たしたら、オンラインでセカンドビザを申請
- 入管から証拠の提示を求められることがあるので、書類は帰国後も保管
制度は改定されることがあるため、申請前に必ず内務省(Department of Home Affairs)の最新情報を確認してください。税・スーパー還付の話は現地税金ガイドにまとめています。
よくある質問(FAQ)
Q. 英語が話せなくてもファームで働ける?
働けます。農作業は英語不問レベルの職も多く、世界中から人が集まるので言語のハードルは低め。ただし指示の聞き取りや安全確認のため、基本的なやり取りはできると安心です。
Q. 88日はどれくらいの期間で終わる?
フルタイムで週末もカウントされる働き方なら、実質約3ヶ月で達成できます。ただし天候や仕事の有無で前後するので、余裕をもった計画を。
Q. ファームは稼げる?
作物と時期次第です。チェリーやマンゴーの繁忙期は歩合で大きく稼げますが、シーズンや畑の条件で差が大きい。時給制の安定を取るか、歩合の上振れを狙うかは自分の適性で選びましょう。
ファームの持ち物・準備チェックリスト
ファームは体力仕事&地方生活。都市とは必要なものが違います。事前に揃えておくと現地で困りません。
| カテゴリ | 持ち物 | 理由 |
|---|---|---|
| 作業着 | 長袖・長ズボン・帽子・手袋 | 日差し・虫・棘から身を守る。豪の紫外線は強烈 |
| 足元 | 丈夫な靴・長靴 | ぬかるみ・重労働に耐える |
| 日用 | 日焼け止め・虫除け・水筒 | 炎天下の熱中症・脱水対策 |
| お金 | 予備資金・ネット銀行口座 | 天候不良で収入が読めない期間の備え |
| 書類 | パスポート・TFN・銀行口座情報 | 給与受取・88日証明に必要 |
特に予備資金は重要。雨続きで作業ができない日が続くと収入が止まるため、数週間分の生活費を持って入るのが安全です。持ち物全般はワーホリ持ち物リストも参考に。
失敗:軽装で行き、日焼け・虫刺され・靴の不備で体調を崩す/資金が薄く天候待ちで尽きる。
回避:作業着・日焼け対策・予備資金を厚めに。TFNと口座は渡航後すぐ整え、初給料から損をしないように。