ワーホリで働くと、現地の税金がついて回ります。難しく感じますが、押さえるべきは「番号を取る(TFN/SIN)」「働くと源泉徴収される」「申告すると払いすぎが戻る」の3点だけ。
本記事では、カナダ・オーストラリア・ニュージーランドの税務番号・タックスリターン・スーパー(年金)還付の基本を、2026年最新のリサーチでまとめました。申告をしないと戻るはずのお金が戻らないので、帰国前後の必読テーマです。
大前提:3ステップで理解する
- 税務番号を取る:カナダはSIN、豪はTFN、NZはIRDナンバー。到着後すぐ。
- 働くと源泉徴収される:給与から自動で税金が引かれる。多めに引かれがち。
- タックスリターンで精算:申告すると払いすぎた分が還付される。当局は自動で返さない。
カナダ:SIN・T4・タックスリターン
カナダで働くにはSIN(社会保険番号)が必須。給与から所得税が源泉徴収され、雇用主が年明けにT4(源泉徴収票)を発行します。
・SINがないと就労も申告も不可。到着後すぐ取得
・雇用主のT4発行期限:おおむね2月末(2025年分は2026年3月2日)
・タックスリターンの提出期限:2026年4月30日(2025年の所得分)
・無料の認定ソフト(Wealthsimple Tax、TurboTax Free等)でオンライン提出可
・申告するとGST/HSTクレジット等の還付につながることも
出典:CRA・各newcomer税ガイド(2026)。確認日 2026-07-15
手続きは、届いたT4など各種スリップの数字を転記していく作業。ゼロから作るわけではないので、無料ソフトのウィザードに沿えば初めてでも完了できます。SINの取り方はカナダの銀行口座・SINガイドも参照。
オーストラリア:TFN・15%軽減税率・スーパー還付
豪州で働くにはTFN(Tax File Number)を取得します。ワーホリメーカーは税制上の区分があり、最初の所得区分に15%の軽減税率が適用され、それを超える分は通常税率です(区切り額は改定されるため最新はATOで確認)。
TFNを提出しないと、雇用主は最高税率+メディケア相当の47%を源泉徴収します(TFN登録を促すためのペナルティ)。到着後すぐにTFNを取り、雇用開始時に「Tax file number declaration」を提出しましょう。
スーパー(退職年金)の還付=DASP
ワーホリ中、雇用主は給与の11.5%をスーパー(退職年金)に積み立てます。ビザ終了後にオーストラリアを離れる際、DASP(Departing Australia Superannuation Payment)として請求可能。ただしワーホリメーカーへの課税は重く、支払時に約65%が差し引かれ、受け取れるのは約35%です。それでも数十万円になることもあるため、帰国時に必ず手続きを。
・TFNなし=47%源泉徴収/TFNあり=最初の区分15%
・スーパー積立=給与の11.5%。帰国時にDASP請求(受取は約35%)
・過剰徴収は自分で申告しないと戻らない(ATOは追いかけてこない)
・豪州の課税年度は7月1日〜翌6月30日
出典:ATO・各WHV税ガイド(2026)。確認日 2026-07-15。区分額・率は改定されうる。
ニュージーランド:IRDナンバー・PAYE
NZで働くにはIRDナンバーが必要。給与からはPAYEとして税が源泉徴収されます。課税年度は4月1日〜翌3月31日。払いすぎがあれば精算で戻る場合があります。詳細な手続き・税率はIRD(Inland Revenue)の最新情報を確認してください。制度全体はNZワーホリ完全ガイドへ。
3ヶ国 早見比較
| 項目 | カナダ | オーストラリア | NZ |
|---|---|---|---|
| 税務番号 | SIN | TFN | IRDナンバー |
| 番号なしの不利 | 就労・申告不可 | 47%源泉徴収 | 高い税率が適用 |
| 年金還付 | — | DASP(受取約35%) | — |
| 課税年度 | 暦年(1〜12月) | 7月〜翌6月 | 4月〜翌3月 |
| 還付 | 申告で精算 | 申告で精算 | 精算で戻る場合 |
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タックスリターンの進め方(カナダ・豪州)
「確定申告」と聞くと身構えますが、やることは届いた書類の数字を転記するだけ。ゼロから作るわけではありません。大まかな流れは共通です。
- 源泉徴収票を集める(カナダ=T4、豪州=income statement)。雇用主から年明けに発行される。
- 申告ソフト・オンラインで入力(カナダ=Wealthsimple Tax/TurboTax等、豪州=myGov/ATO online)。
- 還付額を確認して提出。払いすぎがあれば戻ってくる。
- 書類は保管。後日の照会に備える。
不安なら、現地の税理士(tax agent)や無料の申告サポートを使う手もあります。特に複数の雇用主で働いた年は、まとめて申告することで還付が受けやすくなります。
還付を最大化する・損しないコツ
- 番号は到着後すぐ取得:SIN/TFN/IRDがないと高率徴収。最初の給料から損をしない。
- 全期間の明細を保管:T4・payslip・銀行明細。1社でも抜けると還付や日数証明で困る。
- DASP(豪スーパー)を請求:帰国時に忘れず手続き。放置すると積み立てが宙に浮く。
- 受取は送金コストを抑える:還付金を日本へ戻すときは実勢レートのWise等で目減りを防ぐ。
失敗:「どうせ戻らない」と申告せず、払いすぎたまま帰国する。
回避:当局は自動で返してくれません。申告して初めて還付されるので、面倒でも必ず手続きを。無料ソフトや現地サポートを活用しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 短期間しか働いていなくても申告は必要?
少額でも、源泉徴収されていれば申告で還付される可能性があります。「短いから関係ない」と決めつけず、income statement/T4を確認しましょう。
Q. 帰国後に申告・還付手続きはできる?
国や制度によります。豪州のDASPは出国後に請求する仕組みですし、タックスリターンもオンラインで対応できる場合があります。ただし期限や必要書類があるので、渡航中に段取りを確認しておくと安心です。
Q. 税理士に頼むべき?
単純なケースは無料ソフトで十分ですが、複数の雇用主・複雑な状況なら現地の税理士(tax agent)に相談すると確実。手数料以上に還付が増えることもあります。
よくある失敗と対策
- 番号取得を後回し→ 就労開始が遅れる・高率徴収。到着後すぐ取得。
- タックスリターンをしない→ 払いすぎが戻らず損。無料ソフト等で必ず申告。
- DASPを請求し忘れる→ 積み立てた年金を放置。帰国時に手続き。
- 書類を捨てる→ T4・payslip・銀行明細は保管。申告や後日の照会に必要。
税務番号の取り方(国別の手順)
働くための第一歩が税務番号の取得です。国ごとの取り方の概要を整理します(詳細・最新は各当局で確認を)。
| 国 | 番号 | 取り方の概要 |
|---|---|---|
| カナダ | SIN | Service Canadaでオンライン/窓口申請。到着後すぐ。就労に必須 |
| オーストラリア | TFN | ATOのサイトからオンライン申請。渡航後に住所が決まってから |
| ニュージーランド | IRDナンバー | IRDに申請。銀行口座やパスポート等が必要な場合あり |
いずれも到着後できるだけ早く取得するのが鉄則。番号がないと就労や納税ができず、豪州はTFNなしだと給与から最大47%源泉徴収されて損をします。取得には数日かかることもあるので、住居確保と並行して動きましょう。銀行口座の開き方は口座開設ガイドを参照。
失敗:番号取得を後回しにして就労開始が遅れる/TFNなしで働き高率徴収される。
回避:到着後の最優先タスクに位置づけ、SIM・住所確保の直後に申請。申請控えは保管しておく。