ワーホリ帰国後の失業給付|受け取るか、加入期間を残すかの判断

ワーホリ帰国後の失業給付|受け取るか、加入期間を残すかの判断
悩んでいる人「ワーホリに行くと、失業保険はもらえなくなると聞きました。」

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こんなお悩みに答えます。

本記事の内容
  • 同じ日から数える3つの「1年」と、その意味の違い
  • 受け取ると加入期間が消える仕組みと、その損得
  • 逆算して出る「離職から約7か月半」という線
  • 給付制限が1か月になった改正と、教育訓練での解除
本記事の信頼性

運営者は大学時代に米国へ半年の交換留学、卒業後にカナダで12ヶ月のワーキングホリデー(バンクーバー5ヶ月+バンフ7ヶ月)を経験しました。英語は高校で赤点20点台、渡航前のTOEICは500点台、帰国後に780点。年収は渡航前450万円から、帰国後に大手メーカーへ転職して800万円台になっています。訪問したのは米国とカナダのみで、他国は各当局の一次情報を調べてまとめています。

結論|「もらえるか」ではなく「いつ帰るか」で決まります

運営者は社会保険労務士ではありません。ここに書くのは、 厚生労働省とハローワークの公式ページに書かれている内容だけです。 最終的な判断はお住まいの地域を管轄するハローワークで確認してください。

①「1年」が3つあり、全部おなじ日から数えます
受給期間の1年/通算の1年/被保険者期間を数える2年。起点はすべて離職日です。

②受け取ると、前職の加入期間は消えます
公式に「支給を受けた後の被保険者であった期間のみが算定される」と書かれています。

③逆算すると、離職から約7か月半が線になります
待期7日+給付制限1か月+90日=約4.2か月。12か月から引くと約7.8か月です。
この記事の位置づけ
制度の内容はすべて公式ページからの引用で、出典を本文に書いています。
ただし個別のケースの判定はハローワークが行います。 離職理由の判定、被保険者期間の計算、給付制限の適用は、 離職票の記載と実際の状況をもとに窓口で決まります。
あわせて読みたい会社を辞めてワーホリへ|退職の申し出方と給与の請求方法民法627条と労基法22条・23条。渡航前に受け取るもの

3つの「1年」|同じ日から数えて、意味が違います

ワーホリと失業保険の話がややこしいのは、期限が1つではないからです。 離職日を起点にして、性質の違う3つの期限が同時に動きます。

何の期限か長さ過ぎるとどうなるか
①受給期間基本手当を受け取れる期間離職日の翌日から1年残日数があっても受け取れません
②通算前職の加入期間を引き継げる期間離職から1年以内に再就職前職の加入期間が数に入りません
③被保険者期間受給資格があるかを数える範囲離職前2年間に12か月以上そもそも受給資格が出ません

①はハローワークが「原則として離職日の翌日から1年間」と書いています。 そしてワーホリや語学留学は、この1年を延ばす理由になりません。 延長できるのは病気・けが・妊娠・出産・育児などで、30日以上働けない場合です。

②は厚生労働省のQ&A(Q45)にあります。 「雇用保険を受給せず、1年以内に次の就職先に就職し雇用保険に加入した場合は、 前の会社で加入していた雇用保険の被保険者であった期間も通算されます」と書かれています。

1年ビザをフルに使うと、①と②が同時に外れます
離職 → 渡航 → 12か月滞在 → 帰国。この時点で離職から1年を超えています。
→ ①受給期間が終わっているので、基本手当は受け取れません。
→ ②の1年も過ぎているので、帰国後に就職しても前職の加入期間は通算されません。
これが「ワーホリに行くと失業保険がもらえなくなる」の中身です。

受け取るか、残すか|二択になる理由

受け取ると、加入期間が消えます

ここが、多くの説明で飛ばされる部分です。受け取ることには、コストがあります。

厚生労働省のQ&A(Q2)の注記に、こう書かれています。

公式の記載(Q2 ※1)
「過去に基本手当(再就職手当等を含む。)または特例一時金の支給を受けたことがある場合には、
その支給を受けた後の被保険者であった期間のみが算定されることになります」

つまり一度受け取ると、それ以前の加入期間はゼロに戻ります。 5年勤めた人が90日分を受け取れば、次に辞めるときは再就職してからの期間だけで判定されます。

逆に、受け取らずに1年以内へ再就職すれば、5年はそのまま積み上がります。 二択です。どちらが得かは、次の表で決まります。

所定給付日数|自己都合は10年未満がすべて90日

ハローワークが公開している、自己都合で辞めた場合の所定給付日数です (倒産・解雇などの特定受給資格者は別の表になり、日数が手厚くなります)。

被保険者であった期間所定給付日数(全年齢)90日との差
1年未満受給資格なし
1年以上10年未満90日
10年以上20年未満120日+30日
20年以上150日+60日

1年以上10年未満は、すべて90日です。 勤続3年でも9年でも、受け取れる日数は変わりません。

ここから、判断がはっきりします
通算を残す価値があるのは、通算後に10年を超える人だけです。
・勤続4年 → 帰国後に3年働いて辞める … 通算しても7年。どちらも90日
・勤続8年 → 帰国後に3年働いて辞める … 通算すれば11年で120日(差は30日)
8年以上勤めた人だけが、この二択で迷う意味を持ちます。

金額|30日の差と、90日の額を比べます

基本手当日額の上限は、ハローワークが年齢区分ごとに公開しています。

離職時の年齢基本手当日額の上限90日分(上限で計算)
30歳未満7,450円670,500円
30歳以上45歳未満8,270円744,300円
45歳以上60歳未満9,110円819,900円
60歳以上65歳未満7,830円704,700円

令和8年8月1日現在の額です。この上限は毎年8月1日に改定されます。

上限に届かない人のほうが多いので、厚生労働省が示している目安も並べます (Q10。賞与を除いた総支給額での概算です)。

離職前の月給(総支給)基本手当の目安(月額)90日分の目安
15万円程度11.2万円程度約33.6万円
20万円程度13.9万円程度約41.7万円
30万円程度17.3万円程度約51.9万円
二択を金額にすると
月給20万円だった人の場合 —
受け取る … 90日で約41.7万円帰国した年に入ります
残す … 将来10年を超えたときの+30日=約13.9万円何年も先の話です
今の約42万円を捨てて、将来の約14万円を取る理由は、金額の上では見つかりません。
※ 基本手当は非課税で、確定申告は不要です(Q27)。

ただしこれは金額だけの比較です。 帰国後すぐに就職が決まっている人は、そもそも受給の対象になりません (雇用の予約や内定がある人は「失業の状態」にあたらないと公式に書かれています)。

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逆算|離職から約7か月半が、手続きの線です

では、何か月で帰れば間に合うのか。受給の流れを日数で並べると出ます。

段階かかる期間公式の記載
待期7日求職申込み後、失業の状態にある7日間は支給されません
給付制限(自己都合)1か月退職日が令和7年4月1日以降なら原則1か月
所定給付日数90日1年以上10年未満の場合
合計約4.2か月

受給期間は12か月です。ここから4.2か月を引くと約7.8か月

90日を使い切るための線
離職から約7か月半までに、ハローワークで手続きを始める

教育訓練を受けて給付制限が解除される場合は、1か月分が消えるので
待期7日+90日=約3.2か月。→ 約8か月半まで伸びます。

帰国してすぐ手続きできるわけではありません。離職票が手元にあることが前提で、 住民票を戻す手続きも先に要ります。帰国から手続きまでの余裕を2週間ほど見ておくと、 実際に動かせる滞在期間は7か月前後になります。

「6か月ワーホリ」が制度と噛み合う理由
6か月で帰れば、離職から6か月+手続きの余裕で線の内側に入ります。
12か月にすると受給期間そのものが終わります。間の7〜8か月が境目です。
→ 期間を決めるときは、ビザの上限だけでなくこの線も一緒に見てください。

給付制限|月数と、解除される条件

2つの公式ページで、表記が違います

ここは注意が要ります。公式サイトの中で、書かれている月数が食い違っています。

ページ書かれている給付制限
ハローワークインターネットサービス「雇用保険の具体的な手続き」2か月(過去5年に2回以上なら3か月)
厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ」Q8・Q20令和7年4月1日以降の退職は原則1か月

どちらも公式ですが、法改正を反映しているのは後者です。 厚生労働省の別ページにも 「退職日が令和7年4月1日以降である場合は原則1か月、同年3月31日以前である場合は原則2か月」 と明記されています。

判断の基準は「退職日」です
2026年に退職する人は原則1か月にあたります。
ただし退職日から遡って5年のうちに2回以上、正当な理由なく自己都合退職して 受給資格決定を受けている場合は3か月です。
重大な理由による解雇(重責解雇)も3か月と書かれています。
2回目以降のワーホリを考えている人は、ここが効きます。

教育訓練を受けると、解除されます

2025年(令和7年)4月からの新しい仕組みです。 「令和7年4月以降にリ・スキリングのために教育訓練等を受けた(受けている)場合、 給付制限が解除され、基本手当を受給できるようになりました」と厚生労働省が公表しています。

帰国後に学び直しを予定している人には、2つの効き方があります。

①受け取り始めるのが1か月早くなります
待期7日のあと、給付制限を待たずに支給が始まります。

②逆算の線が、約8か月半まで伸びます
待期7日+90日=約3.2か月。12か月から引くと約8.8か月。
滞在を1か月長くできる計算になります。

対象になる講座は、厚生労働省の教育訓練給付制度 検索システムで調べられます。 手続きには訓練実施施設による訓練開始日の証明書が必要と書かれているので、 受講先が対象講座かどうかを申し込む前に確認してください。

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受け取り始めてからの決まり

認定日・求職活動・アルバイト

受け取り始めてからの決まりも、公式に書かれています。

項目内容
失業の認定原則4週間に1度、指定された日にハローワークへ行きます
求職活動の実績原則2回以上(前回の認定日から今回の前日まで)
実績にならないもの求人情報の閲覧だけ、機関への登録だけ、知人への紹介依頼だけ
実績になるもの求人への応募、職業相談、セミナー受講、資格試験の受験など
アルバイト週20時間以上かつ31日以上の見込みなら「就職」扱いで受給できません
申告働いた日は収入の有無にかかわらず失業認定申告書に記載します
扶養受給中は扶養家族になれない場合があります(健康保険組合に確認)
認定日に行けない面接・試験などなら変更可。理由なく欠席すると支給されません
不正受給の扱いは重いものです
申告せずに受給した場合、以後の支給が全部停止されるうえ、 不正に受給した額の3倍の納付を命じられる場合があると公式に書かれています。
短期のアルバイトでも、必ず申告してください。

早く決まったほうが得になる仕組み

90日を使い切るより、途中で就職したほうが手取りが増える設計になっています。 再就職手当です。

支給残日数支給額
所定給付日数の3分の2以上基本手当日額 × 残日数 × 70%
所定給付日数の3分の1以上基本手当日額 × 残日数 × 60%

90日のうち60日を残して就職すれば、60日×70%=42日分が一時金で入ります。 そのうえ働いた給与も入ります。使い切ってから就職するより多くなる可能性があります。

ただし条件が8つあります
主なものは1年を超えて勤務することが確実待期満了後の就職離職前の事業主に再び雇用されたものでないこと受給資格決定より前から内定していた事業主でないことなど。
また給付制限を受けた場合、待期満了後1か月間は ハローワークか許可・届出のある職業紹介事業者の紹介による就職である必要があります。
自分で応募して1か月以内に決めると、対象外になることがあります。
※ 再就職手当に使う基本手当日額には、別の上限額があります。

渡航前に、やっておくこと

帰国してから取り返せないものがあります。出る前に手を打つ項目です。

やること理由
雇用保険被保険者証の有無を確認する公式が「できれば在職中に」と書いています
離職票(-1、-2)を受け取る受給手続きに必須。渡航後に取り寄せるのは手間です
離職理由の記載を確認する離職証明書には本人が氏名を書きます。記載内容もその場で見られます
離職日を控えておく3つの期限すべての起点になります
帰国予定日から逆算する離職から約7か月半(教育訓練なら約8か月半)が線です

離職票が届かない場合の扱いも公式にあります。 離職日の翌々日から10日を経過しても届かない場合は、会社に処理状況を確認し、 それでも届かなければ退職証明書などを持ってハローワークに相談と書かれています。

まとめ|期間を決めるときに、一緒に見る数字

覚えるのは3つです
受給期間は離職日の翌日から1年。ワーホリ・留学では延ばせません
受け取ると、それまでの加入期間は消えます。ただし10年未満なら日数は同じ90日
逆算の線は約7か月半。教育訓練で給付制限が解除されるなら約8か月半

そして「行かない」以外の選択肢があります
期間を7か月前後にして、帰国後に受け取る
12か月行き、受給を最初から計画に入れない
どちらでも構いませんが、決めてから出るほうが資金計画は崩れません。

金額としては、月給20万円だった人で約42万円。 帰国直後の数か月を支える額としては小さくありません。 ワーホリの期間を「ビザの上限まで」で決める前に、この線も並べてみてください。

最後に、もう一度
ここに書いたのは公式ページの記載です。 個別の判定はハローワークが行います。
特に離職理由の判定被保険者期間の計算は、 離職票の中身を見なければ決まりません。退職を決める前に、一度窓口で確認してください。

出典

いずれも2026年9月6日に確認したものです。制度は改正されます。 渡航や退職の時点で、もう一度公式ページを見てください。

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よくある質問

ワーホリに行くと失業保険はもらえませんか?

1年のビザをフルに使うともらえない可能性が高くなります。基本手当を受け取れる期間は原則として離職日の翌日から1年間で、ワーホリや語学留学はこの期間を延長する理由になりません。延長できるのは病気・けが・妊娠・出産・育児などで30日以上働けない場合です。逆に、離職から約7か月半までに帰国して手続きを始めれば、90日を使い切る計算になります。

何か月で帰れば間に合いますか?

待期7日、自己都合の給付制限1か月、所定給付日数90日を足すと約4.2か月です。受給期間の12か月から引くと約7.8か月になります。帰国から手続きまでの余裕を2週間ほど見ると、実際に動かせる滞在は7か月前後です。教育訓練を受けて給付制限が解除される場合は、約8か月半まで伸びます。

基本手当を受け取ると、それまでの加入期間はどうなりますか?

消えます。厚生労働省のQ&Aに「過去に基本手当の支給を受けたことがある場合には、その支給を受けた後の被保険者であった期間のみが算定される」と書かれています。受け取らずに離職から1年以内に再就職して雇用保険に加入すれば、前の会社の期間は通算されます。

受け取るのと、加入期間を残すのはどちらが得ですか?

自己都合の場合、被保険者期間が1年以上10年未満はすべて90日で日数が変わりません。通算を残す価値があるのは、通算後に10年を超える人だけです。月給20万円だった人なら、受け取れば90日で約41.7万円、残しても将来の差は30日分の約13.9万円です。金額の上では受け取るほうが大きくなります。

いくらもらえますか?

厚生労働省の目安では、離職前の月給が15万円程度で月11.2万円程度、20万円程度で月13.9万円程度、30万円程度で月17.3万円程度です。基本手当日額には上限があり、令和8年8月1日現在で30歳未満が7,450円、30歳以上45歳未満が8,270円です。正確な額は離職票をもとにハローワークが計算します。

給付制限は2か月ですか、1か月ですか?

退職日で決まります。厚生労働省は「退職日が令和7年4月1日以降である場合は原則1か月、同年3月31日以前である場合は原則2か月」と明記しています。ハローワークインターネットサービスの手続きページには2026年9月時点でまだ2か月と書かれていますが、法改正を反映しているのは厚生労働省のQ&Aのほうです。なお5年間に2回以上の自己都合退職では3か月になります。

帰国後にスクールに通う予定です。何か変わりますか?

変わります。2025年4月から、リ・スキリングのために教育訓練等を受けた場合は給付制限が解除され、待期7日のあとすぐに基本手当を受給できるようになりました。受け取り始めが1か月早くなるだけでなく、逆算の線も約8か月半まで伸びます。対象講座は厚生労働省の教育訓練給付制度 検索システムで確認してください。

受給中にアルバイトをしてもいいですか?

できますが条件があります。週20時間以上かつ31日以上の雇用見込みがある場合は「就職」として扱われ、受給できません。それ以外でも、働いた日は収入の有無にかかわらず失業認定申告書に記載が必要です。申告せずに受給すると不正受給となり、以後の支給停止に加えて不正受給額の3倍の納付を命じられる場合があります。

途中で就職が決まったら、残りは損になりますか?

再就職手当があります。所定給付日数の3分の1以上を残して就職すると残日数の60%、3分の2以上なら70%が支給されます。90日のうち60日を残せば42日分です。ただし1年を超えて勤務することが確実であることなど8つの要件があり、給付制限を受けた場合は待期満了後1か月間はハローワークなどの紹介による就職である必要があります。

渡航前にやっておくことは何ですか?

在職中に雇用保険被保険者証の有無を確認し、離職票(-1、-2)を受け取ってから出発してください。離職証明書には本人が氏名を記載するので、そのときに離職理由の記載も確認できます。離職日は3つの期限すべての起点になるので控えておいてください。離職日の翌々日から10日経っても離職票が届かない場合は、会社に処理状況を確認してください。

帰国後のキャリアを、数字で設計する

運営者は渡航前年収450万円から、帰国後に大手メーカーへ転職して800万円台になりました。使ったエージェントと3社並行の進め方をまとめています。

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本記事の制度・条件・金額は執筆時点で公開情報を確認したものです(確認日:2026年8月16日)。制度や料金は変更される場合があるため、実際の手続き・申請の前に各機関の公式情報を必ずご確認ください。本記事は法的・専門的な助言ではなく、特定の結果を保証するものではありません。