出国の年の年末調整|辞めた月で決まる、確定申告の要否

出国の年の年末調整|辞めた月で決まる、確定申告の要否
悩んでいる人「会社を辞めて出国するので、年末調整は関係ないと思っていました。」

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こんなお悩みに答えます。

本記事の内容
  • 年の中途の年末調整の対象が5つに限られること
  • 退職してワーホリに行く人が、そのどれにも入らないこと
  • 帰国して同じ年に就職すると、前職の源泉徴収票が要ること
  • 控除は月数で割られないこと
本記事の信頼性

運営者は大学時代に米国へ半年の交換留学、卒業後にカナダで12ヶ月のワーキングホリデー(バンクーバー5ヶ月+バンフ7ヶ月)を経験しました。英語は高校で赤点20点台、渡航前のTOEICは500点台、帰国後に780点。年収は渡航前450万円から、帰国後に大手メーカーへ転職して800万円台になっています。訪問したのは米国とカナダのみで、他国は各当局の一次情報を調べてまとめています。

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結論|辞めた月で、対象かどうかが決まります

年末調整には2つのタイミングがあります。 12月に行うものと、年の中途で行うものです。

そして年の中途で行う年末調整の対象は、国税庁が5つに限定しています。

国税庁 No.2665(原文)
「したがって、年の中途で退職した人で(1)から(5)以外の人は 年末調整の対象となりません

ワーホリのために春や夏に会社を辞めた人は、 この5つのどれにも当てはまりません。 つまり年末調整を受けないまま、その年が終わります。

運営者は税理士ではありません
この記事は国税庁のページに書かれている文言を並べたものです。
「確定申告をすべき」といった判断は書きません。 自分のケースがどうなるかは、所轄の税務署に確認してください。
あわせて読みたい渡航とふるさと納税|控除は翌年度に寄る住民税は1月1日時点の住所で決まります。年をまたぐかどうかで結果が変わる点は同じです。

一次情報|年の中途の年末調整は、この5つだけ

国税庁のタックスアンサー No.2665「年末調整の対象となる人」に、 そのまま書かれています。

年の中途で行う年末調整の対象
(1)海外支店等に転勤したことなどの理由により非居住者となった人
(2)死亡によって退職した人
(3)著しい心身の障害のために退職した人(退職後に再就職し給与を受け取る見込みのある人は除く)
(4)12月に支給されるべき給与等の支払を受けた後に退職した人
(5)パートタイマーなどが退職した場合で、本年中に支払を受ける給与の総額が123万円以下である人(退職後その年に他の勤務先から給与の支払を受ける見込みのある人は除く)

※ 出典:国税庁「No.2665 年末調整の対象となる人」[令和7年4月1日現在法令等](2026年9月8日確認)。

参考までに、12月に行う年末調整のほうの対象も書いておきます。 「1年を通じて勤務している人や、年の中途で就職し年末まで勤務している人」です。 ただし給与の総額が2,000万円を超える人などは除かれます。

ワーホリで辞める人が、5つのどれにも入らない理由

1つずつ確かめます。

税の手続きは、期限と居住者判定で結果が変わります。そして書類の多くは現地でしか取れません。帰国後に気づいても、取り直せないものが混じります。
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条件ワーホリで退職した場合
(1) 転勤で非居住者当てはまりません。「転勤」は会社の命令で行くもので、自分で辞めて行く場合は該当しません
(2) 死亡退職当てはまりません
(3) 心身の障害による退職当てはまりません
(4) 12月の給与を受けた後の退職12月まで在籍していれば当てはまります。春・夏に辞めるなら該当しません
(5) 給与総額123万円以下その年の給与が123万円を超えていれば該当しません

(1)の「転勤」は、この記事でいちばん間違えやすいところです。

国税庁 No.2517(原文)
「役員や使用人が1年以上の予定で海外に転勤することになった場合には、 給与等の支払を行う者は、その居住者が海外に出国する日までに、 年末調整をしなければなりません

これは会社に在籍したまま海外の支店へ移る人の話です。 退職して個人でワーホリに行く場合とは、別の条件になります。

あわせて読みたい渡航とNISA|出国の前日までに出す届出2種類出国の日の前日までに届出が要ります。期限が「出国前」にある手続きです。

対象にならないと、何が起きるのか

毎月の給与から引かれている所得税は、 「その給与が1年間続く」という前提で計算された概算です。

年末調整は、その概算と実際に納めるべき額との差を精算する手続きです。 国税庁のNo.2665にも「毎月の給与等から源泉徴収をした所得税および復興特別所得税の合計額と、 その人が1年間に納めるべき所得税および復興特別所得税の額との差額を精算するもの」とあります。

年の途中で辞めれば、その年の給与は当初の前提より少なくなります。 精算が行われないまま年が終わる、ということになります。

ここで金額は書きません
いくら戻るか、そもそも戻るのかは、人によって違います。
給与額・扶養の有無・保険料・その年に他の収入があるかで変わります。 「◯万円戻る」と書ける数字はありません。

5つのうち、自分で選べるのは(4)だけです

5つの条件を見返すと、1つだけ自分の判断で入れるものがあります。 (4) の「12月に支給されるべき給与等の支払を受けた後に退職した人」です。

退職の時期年末調整
3月に退職して4月に出国対象外((1)〜(5)のどれにも入らない)
8月に退職して9月に出国対象外(同上)
12月の給与を受けた後に退職(4)に当てはまる

年内いっぱい在籍してから辞めれば、その年の年末調整を受けられるという形になります。

ただし、渡航時期を税で決めるのは順番が逆です
渡航の月は、ビザの取得時期・語学学校の開講日・現地の仕事のシーズンで決まります。 年末調整はそのあとに付いてくる話です。
「12月まで待てば得だから」という理由で、 仕事のシーズンを外すほうが影響は大きくなります。 渡航月の決め方は国別の記事にまとめてあります。

逆に言えば、春や夏に出発する人は、 最初から「その年の年末調整はない」という前提で考えることになります。 これは損得の話ではなく、精算のタイミングが年末から後ろにずれるという意味です。

帰国して同じ年に就職した場合

ここからが、帰国後の話です。 同じ年のうちに帰国して就職し、年末まで勤めた場合は、 新しい勤務先の年末調整の対象になります。

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現地のカードや口座が使えない場面で、日本のカードが1枚あると動けます。入会でポイントが付与されるとされています。カード発行には審査があり、日本にいる間しか申し込めない種類もあります。渡航前に整理しておく項目です。
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国税庁 No.2674(原文)
「年の中途で就職し、年末まで勤務している人についても年末調整の対象になります」

「就職前にその年中にほかの会社などから給与の支払を受けたことがあったかどうかを確認します。 (中略)それらの給与を含めて年末調整を行う必要があります

「それらの給与を含めて」という部分が重要です。 出国前に勤めていた会社の給与も、新しい勤務先の年末調整に含めることになります。

そのために必要な書類が指定されています。

国税庁 No.2674(原文)
「この確認は、その人がほかの会社などから交付を受けた 「給与所得の源泉徴収票」などで行います。
この確認ができないときには、年末調整を行うことはできず、 その人が確定申告により所得税及び復興特別所得税の精算を行うことになります

出国前の会社からもらう源泉徴収票を、帰国まで持っておく—— という話になります。無くすと、年末調整ではなく確定申告になります。

あわせて読みたいワーホリ出発前の行政手続き|住民票と年金の判断のしかた転出届を出すかどうかで、年金・保険・住民税の扱いが変わります。

年をまたぐかどうかで、話が変わります

ここまでを、時期で整理します。

出国と帰国のパターンその年の扱い
同じ年に出国して帰国し、年末まで勤務
(例:3月退職 → 11月帰国 → 12月就職)
新しい勤務先の年末調整。前職の源泉徴収票が必要
同じ年に帰国したが、年末は無職
(例:3月退職 → 11月帰国 → 就職は翌年)
年末調整の対象なし
年をまたぐ
(例:2026年3月退職 → 2027年5月帰国)
2026年分は年末調整なし。2027年分は就職先の状況による

1月1日をまたぐかどうかが線になります。 これはふるさと納税や住民税と同じ構造です。 日本の税は、1月1日と12月31日で区切られています。

タビポタでは「日本のお金」の記事を4本書いてきましたが、 4本とも、この線のどこに立つかで答えが変わります。

制度どこで区切られるか
NISA出国の日の前日までに届出。出さなければ口座は廃止される
iDeCo国民年金に任意加入すれば続く。やめることはできない
ふるさと納税控除の全額が翌年度の住民税から。住民税は1月1日時点の住所で決まる
年末調整(この記事)辞めた月で対象かどうかが決まる。12月の給与を受けた後なら対象

同じ「出国」でも、制度ごとに見ている日付が違います。 出国の日を見るもの、1月1日を見るもの、退職した月を見るもの。 まとめて1つの手続きにはなりません。

控除は、月数で割られません

意外に思われる点があるので、原文を引きます。

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③ 話す回数を積む|ネイティブキャンプ
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国税庁 No.2674(原文)
「例えば、3月に学校を卒業して4月から就職した人の場合、 所得のあった月数などに応じてあん分計算するのではなく、 その控除の全額が認められます

4月から働き始めた人でも、控除は「12分の9」にはなりません。 基礎控除や扶養控除はその年の全額が認められます。

年の途中から働き始めた人ほど、 源泉徴収された額と、実際に納めるべき額の差が大きくなりやすいのは、 この仕組みが理由です。

あわせて読みたいワーホリ帰国後の手続き|転出届の有無で変わる進め方帰国後の手続きは、出国時に転出届を出したかどうかで分岐します。

出発前に確認しておくこと

国税庁のページから読み取れる範囲で、書類の話だけまとめます。

ものなぜ要るか
給与所得の源泉徴収票同じ年に帰国して就職する場合、新しい勤務先の年末調整に必要。無いと確定申告になる
国民年金・国民健康保険の領収書社会保険料控除の対象になりうる。ただし控除の対象は居住者であった期間に支払ったものという条件が別途あります
生命保険料の控除証明書同上。秋に郵送されるため、出国後は受け取れないことがあります

秋に届く書類は、出国後だと受け取れません

生命保険料の控除証明書は、毎年秋ごろに郵送されます。 春や夏に出国していると、その郵便を受け取る人が日本にいない状態になります。

転出届を出して住民票を抜いた場合、 郵便物の宛先そのものが無くなることになります。 実家に転送をかけておくか、契約している保険会社の Webで再発行できるかを出国前に確認しておく、といった準備の話になります。

出国前に確かめておくと後で困らないこと
・前の勤務先から源泉徴収票を受け取ったか
・郵便の転送先を決めたか
・保険会社のWebで控除証明書を再発行できるか
・日本のマイナンバーカードの有効期限が滞在中に切れないか

どれも「帰ってから何とかする」ができないものです。 源泉徴収票は前の勤務先に、控除証明書は保険会社に、 それぞれ日本から連絡することになります。

この表は「確認しておくもの」であって、控除できると保証するものではありません
控除の可否は支払った時期と、その時点で居住者だったかで変わります。
国税庁のNo.2517には、転勤の場合について 「社会保険料や生命保険料などの保険料控除は、出国する日(居住者であった期間)までに 支払われたものに限られます」と書かれています。
自分のケースは税務署に確認してください。

よくある質問

ワーホリで退職した年は、年末調整を受けられますか?

国税庁は、年の中途で行う年末調整の対象を5つに限定しています。海外への転勤で非居住者になった人、死亡退職、心身の障害による退職、12月の給与を受けた後の退職、給与総額123万円以下のパートタイマーなどです。そして「年の中途で退職した人で(1)から(5)以外の人は年末調整の対象となりません」と明記されています。

「海外に転勤したことにより非居住者となった人」に当てはまりませんか?

国税庁のNo.2517は「1年以上の予定で海外に転勤することになった場合」の手続きを説明しています。これは会社に在籍したまま海外の支店等へ移る場合の話です。退職して個人で渡航する場合とは条件が異なります。判断に迷う場合は税務署に確認してください。

帰国して同じ年に就職したら、どうなりますか?

年末まで勤務していれば、新しい勤務先の年末調整の対象になります。ただし出国前の会社から受けた給与も含めて計算するため、「給与所得の源泉徴収票」が必要です。国税庁は「この確認ができないときには、年末調整を行うことはできず、その人が確定申告により(中略)精算を行うことになります」としています。

源泉徴収票を無くしてしまいました。

国税庁のページでは、確認ができない場合は年末調整ではなく確定申告での精算になる、と説明されています。再発行できるかどうかは前の勤務先の対応によります。出国前に受け取って保管しておくのが確実です。

年の途中から働き始めると、控除は月数で減りますか?

減りません。国税庁は「所得のあった月数などに応じてあん分計算するのではなく、その控除の全額が認められます」と説明しています。3月に卒業して4月から就職した人の例が挙げられています。

確定申告をすれば税金が戻りますか?

戻るかどうか、いくら戻るかは人によって変わります。給与額・扶養の有無・支払った保険料・その年の他の収入で結果が変わるためです。この記事では金額を書きません。所轄の税務署か税理士に確認してください。

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本記事の制度・条件・金額は執筆時点で公開情報を確認したものです(確認日:2026年8月16日)。制度や料金は変更される場合があるため、実際の手続き・申請の前に各機関の公式情報を必ずご確認ください。本記事は法的・専門的な助言ではなく、特定の結果を保証するものではありません。