ワーホリの保険要件|あなたの保険は、当局が求める項目を満たしていますか【2026年版】

ワーホリの保険要件|国で違う3つの型と条件の確認方法

数字から言います。ワーホリの保険要件で、当局が補償すべき項目を具体的に列挙している国があります。

スウェーデン移民庁は、包括的な医療保険について4つの項目を挙げています。緊急の医療とそれ以外の医療、入院緊急の歯科治療、そして健康上の理由で帰国が必要になった場合の医療搬送の費用。しかも滞在の全期間にわたって有効であることが条件です。

「海外旅行保険に入っています」だけでは足りません。その保険に医療搬送が含まれているかどうか、確認した人は多くないはずです。

そして国によって扱いがまったく違います。スペインは義務として課さず、「加入しない場合は関連費用が全額自己負担になることを承知する」という宣誓の形をとっています。香港に至っては、国籍によって要件が違います。

論点は1つです。あなたの保険は、行き先の当局が求める項目を満たしていますか。

この記事は、これから保険を選ぶ人に向けて書いています。

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この記事を書いている立場:運営者はカナダのワーキング・ホリデーで12ヶ月を過ごしました。本記事は、ビザ・滞在許可の申請にあたって各国が求める「保険の要件」を公的資料から整理したものです。保険商品の比較は保険比較の記事、実際の請求方法は保険請求の記事で扱っています。
出典はスウェーデン移民庁(Migrationsverket)、ノルウェー移民局(UDI)、香港入境事務處(IMMD)、オランダ移民帰化局(IND)、在日スペイン大使館、デンマーク移民局(SIRI)の各公式資料です(いずれも2026年8月時点で確認)。
本記事は特定の保険商品を推奨するものではありません。また「この保険なら要件を満たす」という判断は示しません。補償内容の適合性は保険会社および当局にご確認ください。制度は変更されます。本記事は法的助言ではありません。

結論:要件の書かれ方には3つの型があります

内容該当(当局の原文で確認)
①項目指定型補償すべき項目が具体的に列挙されているスウェーデン/香港(日本以外の一部国籍)
②要件型加入が要件だが、内容は概括的ノルウェー/オランダ/香港(日本国籍)
③自己責任確認型義務ではなく、未加入時の結果を本人に確認させるスペイン
(記載なし)公式ページに保険の要件が見当たらないデンマーク
③と「記載なし」を「入らなくていい」と読まないでください
スペインの宣誓書の文言はこうです。「滞在中の傷害・疾病における死亡・治療をカバーする海外旅行保険に加入する事を重要だと理解し、加入しない場合には関連費用の全ては自己負担になる事を承知する」。
これは「入らなくてよい」ではなく、「入らなければ全額自分で払うことになると分かっていますね」という確認です。署名する以上、その意味を引き受けることになります。
そしてデンマークについては、公式ページに保険の要件が見当たりませんでした。ただし要件がないことと、必要ないことは別です。医療費の負担は制度とは無関係に発生します。
外務省も、渡航先の医療事情を踏まえた備えを促しています。要件の有無にかかわらず、加入は前提として考えてください。
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スウェーデンが指定している4項目

この4つが、他国を選ぶときの基準にもなります

Migrationsverketは包括的な医療保険について、スウェーデン滞在の全期間にわたって有効であることを求めたうえで、次をカバーするよう記載しています。 ③と④が見落とされやすい項目です。歯科は補償対象外の商品があり、医療搬送は上限額が設定されている場合があります。
やること:保険会社にこの4項目を1つずつ挙げて確認してください。「海外旅行保険です」では答えになりません。とくに医療搬送は、金額が大きくなりやすい項目です。
なおMigrationsverketは、この保険要件がオーストラリア国籍者には適用されないと明記しています。つまり国籍によって要件が違うということが、公式に示されています。 あわせて読みたい女性のワーホリ 安全対策|住居・移動・職場・医療の4場面で備える住居や盗難のトラブルは性別を問わず起こります。この記事は繰り返さず、女性が直面しやすい4場面に絞りました。内見にひとりで

香港は、国籍によって要件が違います

国籍求められる保険
日本十分な医療保険(sufficient medical insurance)
カナダ・ハンガリー・アイルランド・韓国・オランダ・NZ・スウェーデン・英国医療、ヘルスケア(入院を含む)、本国送還、賠償責任
フランス入院・妊娠・障害・本国送還を含む包括的な賠償責任・医療保険
オーストリア・ドイツ入院・本国送還を含む包括的な賠償責任・医療保険
日本人向けの記載だけが、内容の指定を伴いません
IMMDは国籍ごとに保険の要件を分けており、多くの国には医療・ヘルスケア(入院を含む)・本国送還・賠償責任という具体的な項目を求めています。ところが日本の参加者については「十分な医療保険を有すること」とだけ記載されています。
ここは慎重に読んでください。項目の列挙が少ないからといって、薄い補償でよいとは限りません。「十分」の中身が示されていない以上、判断は入境事務處に委ねられる可能性があります。
安全側の考え方:他の国籍に求められている入院・本国送還(医療搬送)・賠償責任までカバーする保険を選んでおく。本記事では「これで足りる」という判断は示しません。迷う場合はIMMDに確認してください。詳細は香港の記事で扱っています。
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「全期間有効」という条件を、軽く見ないでください

スウェーデンとノルウェーが明記しています

Migrationsverket:包括的な医療保険はスウェーデンにいる全期間にわたって有効でなければならない。

UDI:ノルウェー滞在の全期間にわたって有効な医療保険に加入していること。

問題になりやすいのは、契約期間と滞在期間のずれです。1年の許可に対して保険が11か月分しかない、途中で更新が必要になる、といったケースです。

確認すること:保険の契約期間が、許可の期間をすべて覆っているか ②延長した場合に保険も延長できるか ③現地で契約を継続できるか

そしてノルウェーには、もう1つの条件があります。UDIは健康であること、すなわちノルウェー滞在中に入院が必要になる可能性が高くないことを要件に挙げています。保険とは別に、健康状態そのものが要件になっている点に注意してください。

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証明書は、英語で用意してください

提出書類としての形式

スウェーデンのMigrationsverketは、提出書類についてスウェーデン語または英語であることを求め、翻訳する場合は認証された翻訳と原本の写しの両方を添付するよう記載しています。

スペインも同様に、指定のないものはスペイン語または英語で作成するか翻訳をつける必要があります。

やること:保険会社に英文の付保証明書(Certificate of Insurance)を発行できるかを確認してください。日本語のパンフレットや契約内容の画面では、書類として通らない可能性があります。

そして発行に日数がかかる場合があります。申請直前に依頼して間に合わない、という事態を避けるため、書類を揃え始める段階で保険会社に問い合わせてください。

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公的な医療保険との関係

滞在国の制度に頼れるとは限りません
デンマークのSIRIは、社会政策法にもとづく給付・就学援助・住宅手当などを受けると許可が取り消される可能性があると明記し、自治体が支給した場合はSIRIに通知されるとしています。オランダのINDも公的資金からの社会給付を受けてはならないとしています。
これらは医療そのものの話ではありませんが、姿勢は共通しています。ワーキング・ホリデーは自分で自分を支えることが前提の制度です。
だから民間の保険は、制度上の要件であると同時に、自分を守る手段です。要件のない国であっても、加入せずに渡航する判断は勧められません。
なお、日本を出るときの公的医療保険の扱い(脱退するか継続するか)は別の論点です。出発前の行政手続きの記事で扱っています。
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運営者の視点:保険は「入る」より「使える状態にする」

加入しただけでは、いざというとき動けません

運営者はカナダで12か月を過ごし、幸い大きな病気やけがはありませんでした。だから請求の経験は語れません。語れるのは、周りを見ていて思ったことです。

保険に入っている人は多い。ところが「どこに連絡するか」を知っている人は、驚くほど少なかった。体調を崩してから調べ始め、日本語対応の窓口があることをそこで初めて知る——という順番です。

そして請求には書類が要ります。診断書、領収書、明細。現地の医療機関で「保険請求に使うので明細をください」と言えるかどうかで、後の手間が変わります。これは英語の問題でもあります。

だから提案します。渡航前に3つだけ準備してください。緊急連絡先の電話番号をスマホに登録する(保険証券の番号ではなく、24時間対応の窓口) ②付保証明書のPDFをクラウドに保存する「保険を使いたい」と伝える英語の1文を覚える

この3つは10分で終わります。そして必要になったときは、10分の余裕もありません。請求の実務は保険請求の記事で扱っています。

スカイダイビングは、保険の対象外になりやすい活動です
オーストラリア・パラシュート連盟(APF)によれば、タンデムは最低年齢16歳・上限なし、インストラクターは全員が有資格で最低500回の経験。ただし自分のGoProは持ち込めません(100回以上の経験とClass Cが必要で「例外はない」と明記)。そして海外旅行保険では補償対象外とされることが多い活動です。詳しくは豪州のタンデムスカイダイブで整理しました。
関連:NZは事故なら誰でもカバー、豪州で日本人は対象外
ニュージーランドのACCは無過失のスキームで、訪問者も居住者と同じカバーを受けるとされています(ただし病気は対象外)。一方オーストラリアの相互医療協定は11か国が対象で、日本は含まれていません
ワーホリの医療費|NZのACCと豪州の相互医療協定
関連:カナダの公的医療は州ごとの制度です
BC州のMSPには居住確立の月の残り+2か月の待機期間があり、6か月以上有効な就労許可を持つ人はみなし居住者として扱われ得ます。アルバータ州は12か月住む意思と、入国書類の残り6か月が条件です。
カナダの公的医療|BC州の待機期間とアルバータの6か月ルール

年齢の上限がある制度は、1年待つと選択肢そのものが消えます。だから「行けるかどうか」より「いつまでに決めるか」が先に来ます。

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② 2社目の見解を取る|ラストリゾート
ワーホリ・語学留学の取り扱いが幅広く、資料請求・セミナー・カウンセリングと入口が分かれています。1社の説明が妥当かどうかは、2社目を並べたときに分かります。
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③ 現地で連絡が取れる状態を作る|Glocal eSIM
手続きも仕事探しも、連絡が取れないと止まります。注文から開通まで90日の猶予があるので、渡航前に買っておけます(公式サイトの記載・2026年8月確認)。到着してSIMを契約するまでの空白を、先に埋めておく選択肢です。
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保険は「入るかどうか」より「どこまでが対象外か」で選ぶものです。既往症・クレカ付帯・国ごとのビザ要件を整理しています。

ワーホリ・留学の海外保険の全体像

よくある失敗

失敗①:補償項目を確認しない

スウェーデンは緊急歯科治療と医療搬送まで指定しています。商品によっては対象外です。

失敗②:契約期間が滞在期間より短い

「全期間有効」が条件の国があります。許可の期間をすべて覆う契約にしてください。

失敗③:日本語の書類しか用意しない

提出書類は英語(またはその国の言語)が求められます。英文の付保証明書を発行できるか確認を。

失敗④:香港の「十分な医療保険」を薄く読む

他国籍には入院・本国送還・賠償責任が求められています。同水準で用意するほうが安全です。

失敗⑤:要件のない国で加入しない

要件がないことと必要ないことは別です。医療費は制度と無関係に発生します。

失敗⑥:連絡先を調べていない

加入していても、連絡先を知らなければ使えません。渡航前にスマホへ登録してください。

今日からできる3つのこと

保険の要件は、国によって書かれ方がまったく違います。項目を具体的に指定する国、概括的に求める国、自己責任の確認にとどめる国、記載がない国。

ただし、どの型であっても医療費は発生します。要件を満たすことが目的ではありません。必要になったときに使えるかどうかが、唯一の基準です。

本記事の内容はスウェーデン移民庁(Migrationsverket)、ノルウェー移民局(UDI)、香港入境事務處(IMMD)、オランダ移民帰化局(IND)、在日スペイン大使館、デンマーク移民局(SIRI)の各公式資料にもとづきます(いずれも2026年8月時点で確認)。本記事で扱っているのは、運営者が当局の原文を確認できた国のみです。ここに記載のない国については、保険の要件を確認していないため触れていません。デンマークについては公式ページに保険要件の記載が見当たらなかったことを記載していますが、要件がないと断定するものではありません。本記事は特定の保険商品を推奨するものではなく、「この保険なら要件を満たす」という判断も示していません。補償内容が要件に適合するかは、保険会社および渡航先の当局にご確認ください。制度・要件は変更されるため、申請にあたっては必ず最新の情報を確認してください。本記事は法的助言ではありません。

よくある質問

ワーホリで保険への加入は必須ですか?

国によって扱いが違います。当局の原文で確認できた範囲では、スウェーデンは包括的な医療保険を要件とし補償項目まで具体的に指定、ノルウェーとオランダも加入を要件としています。香港は国籍ごとに要件が分かれており、日本国籍には「十分な医療保険」が求められます。一方スペインは義務として課さず、宣誓書で「加入しない場合には関連費用の全ては自己負担になる事を承知する」という確認の形をとっています。デンマークは公式ページに保険要件の記載が見当たりませんでした。ただし要件がないことと必要ないことは別で、医療費は制度と無関係に発生します。

どんな補償が必要ですか?

スウェーデン移民庁は4つの項目を挙げています。緊急の医療およびそれ以外の医療、入院、緊急の歯科治療、そして健康上の理由で帰国が必要になった場合の医療搬送の費用です。しかも滞在の全期間にわたって有効であることが条件とされています。とくに緊急歯科治療と医療搬送は見落とされやすく、歯科は補償対象外の商品があり、医療搬送は上限額が設定されている場合があります。保険会社にはこの4項目を1つずつ挙げて確認してください。「海外旅行保険です」では答えになりません。

香港の「十分な医療保険」とはどの程度ですか?

香港入境事務處は国籍ごとに保険要件を分けており、カナダ・ハンガリー・アイルランド・韓国・オランダ・ニュージーランド・スウェーデン・英国の参加者には医療、ヘルスケア(入院を含む)、本国送還、賠償責任が求められます。フランスはさらに妊娠と障害を含む補償、オーストリアとドイツは入院と本国送還を含む包括的な補償です。一方で日本の参加者については「十分な医療保険を有すること」とだけ記載されており、内容の指定がありません。項目の列挙が少ないからといって薄い補償でよいとは限らず、判断は当局に委ねられる可能性があるため、他国籍に求められている水準まで確保しておくほうが安全です。

保険の契約期間はどう合わせればいいですか?

スウェーデンもノルウェーも「滞在の全期間にわたって有効」であることを明記しています。問題になりやすいのは契約期間と滞在期間のずれで、1年の許可に対して保険が11か月分しかない、途中で更新が必要になるといったケースです。確認すべきは、保険の契約期間が許可の期間をすべて覆っているか、延長した場合に保険も延長できるか、現地で契約を継続できるかの3点です。なおノルウェーは保険とは別に、健康であること(滞在中に入院が必要になる可能性が高くないこと)も要件に挙げています。

提出する書類は日本語でもいいですか?

英語(またはその国の言語)が求められます。スウェーデンの移民庁は提出書類がスウェーデン語または英語であることを求め、翻訳する場合は認証された翻訳と原本の写しの両方を添付するよう記載しています。スペインも指定のないものはスペイン語または英語で作成するか翻訳をつける必要があるとしています。保険会社に英文の付保証明書(Certificate of Insurance)を発行できるか確認してください。日本語のパンフレットや契約画面では書類として通らない可能性があります。発行に日数がかかる場合があるため、書類を揃え始める段階で問い合わせてください。

加入すれば安心ですか?

加入しただけでは、いざというときに動けません。保険に入っていても、どこに連絡するかを知らない人が少なくありません。体調を崩してから調べ始め、日本語対応の窓口があることをそこで初めて知るという順番になりがちです。また請求には診断書・領収書・明細といった書類が必要で、現地の医療機関で「保険請求に使うので明細をください」と言えるかどうかで後の手間が変わります。渡航前に、24時間対応の連絡先をスマホに登録する、付保証明書のPDFをクラウドに保存する、「保険を使いたい」と伝える英語の1文を覚える、この3つを済ませておいてください。

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本記事の制度・条件・金額は執筆時点で公開情報を確認したものです(確認日:2026年8月8日)。制度や料金は変更される場合があるため、実際の手続き・申請の前に各機関の公式情報を必ずご確認ください。本記事は法的・専門的な助言ではなく、特定の結果を保証するものではありません。