数字から言います。ワーキング・ホリデー中に自営業やフリーランスとして働けるかは、国によって答えが正反対です。
英国は認めています。GOV.UKのYouth Mobility Schemeのページには、できることとして「自営業として働き、会社を設立すること」が明記されています。ただし条件つきで、事業所を賃借していること、設備が£5,000を超えないこと、従業員がいないこととされています。
一方、オランダは明確に禁止しています。移民帰化局は「自営業者として働くことはできない」と記載。デンマークも「事業を営むことは認められない」とし、違反すれば滞在許可が取り消される可能性があるとしています。
そして日本語で検索しても、この違いを整理した情報は見当たりません。「ワーホリ フリーランス」で調べても、日本国内の個人事業主の話が出てくるだけです。
論点は1つです。あなたが続けようとしているオンラインの仕事は、行き先の制度で認められていますか。
この記事は、渡航後も個人で仕事を続けたい人に向けて書いています。
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この記事を書いている立場:運営者はカナダのワーキング・ホリデーで12ヶ月を過ごしましたが、現地で自営業として働いた経験はありません。本記事は各国の公的資料を整理したものです。
出典はGOV.UK「Youth Mobility Scheme visa」、オランダ移民帰化局(IND)、デンマーク移民局(SIRI)、香港入境事務處(IMMD)、スウェーデン移民庁(Migrationsverket)、ノルウェー移民局(UDI)の各公式資料です(いずれも2026年8月時点で確認)。
本記事は特定の働き方が適法であると判断するものではありません。オンラインでの業務委託や個人事業がどう扱われるかは個別の事情によるため、必ず渡航先の当局にご確認ください。本記事は法的助言ではありません。
結論:3つの型に分かれます
| 型 | 国(当局の原文で確認) | 記載内容 |
|---|---|---|
| ①条件つきで認める | 英国 | 自営業・会社設立が可能(3つの条件つき) |
| ②明確に禁止 | オランダ/デンマーク | 自営業として働くことはできない |
| ③雇用の形を限定 | 香港/スウェーデン | 一時的な就労のみ/主目的にしてはならない |
デンマークのSIRIは、許可を超えて働いた場合や自営業を行った場合は違法な労働とみなされ、滞在許可が取り消される可能性があると明記しています。
これは「グレーゾーン」ではありません。当局が明示的に禁止し、結果まで書いている領域です。
そして「日本の会社の仕事をオンラインで受けているだけ」という説明が通るかどうかは、本記事では判断できません。形式が業務委託なのか雇用なのか、どこで役務が提供されているとみなされるのか——これは個別の判断であり、当局に確認するしかありません。
英国の条件を、正確に読む
認められていますが、3つの制約があります
GOV.UKのYouth Mobility Schemeのページには、できることとして次が挙げられています。「自営業として働き、会社を設立すること——ただし、事業所を賃借していること、設備が£5,000を超えないこと、従業員がいないこと」。- ①事業所は賃借:自分で所有する物件では要件を満たさないという趣旨と読めます
- ②設備は£5,000以下:大きな設備投資を伴う事業は想定されていません
- ③従業員を雇わない:人を雇う規模の事業は対象外です
ただし本記事では「あなたの仕事が該当する」という判断は示しません。条件の解釈は当局の運用によります。英国を検討していて自営業を続ける予定なら、申請前に確認してください。 あわせて読みたいワーホリの国選び|魅力を比べる前に、制度の条件で落としてください国選びの記事は物価や気候で比較されますが、その前に条件で落ちる国があります。年齢が31歳ならスウェーデンは対象外、家族帯
英国が特別なのは、期間も理由です
| 項目 | 英国(YMS) | 他の多くの国 |
|---|---|---|
| 滞在期間 | 最長24か月 | 1年 |
| 自営業 | 条件つきで可 | 不可の国がある |
| 年齢 | 18〜30歳(国により18〜35歳) | 18〜30歳が中心 |
| 資金要件 | £2,530の貯蓄 | 国により異なる |
| 申請料 | £340 | 無料の国もある |
| 医療サーチャージ | 通常 年£776 | 該当なし |
GOV.UKは、申請にあたって申請料の支払い、医療サーチャージ(healthcare surcharge)の支払い、十分な貯蓄の証明が必要としています。医療サーチャージは通常「年£776」と記載されています。
2年間の滞在なら、この項目だけで£1,552になります。申請料£340と合わせると£1,892。さらに貯蓄£2,530の証明が別途必要です。
「イギリスは2年いられる」という利点の裏には、この費用があります。期間が長いぶん、サーチャージも積み上がる構造です。
費用の全体像は費用の記事、資金証明の要件は資金証明の記事で扱っています。
「リモートワーク」は、就労とみなされ得ます
UDIは申請中の権利と義務として、「許可が与えられるまで、リモートワークを含めて働き始めてはならない」と記載しています。リモートワークという語が明示的に使われている点が重要です。
つまり「現地にいながら日本の仕事をオンラインで続ける」ことが、就労として扱われ得るということです。物理的にどこで働くかではなく、滞在国にいる間に労働しているかどうかで判断される可能性があります。
そして許可が下りた後であっても、それが「自営業」に該当すれば、②の国では禁止の対象になります。
やること:①契約の形式を確認する(雇用か業務委託か) ②行き先の当局に、その形式が認められるか問い合わせる ③不明なまま渡航しない。後から「知らなかった」では取り返しがつかない領域です。
税金の問題も、別に発生します
制度上できることと、納税は別の話です
仮に自営業が認められている国であっても、収入をどこに申告するかという問題が残ります。滞在国での納税義務が生じる場合もあれば、日本での申告が必要な場合もあります。
本記事では税務の判断を示しません。居住者判定、滞在日数、収入の源泉、租税条約——これらは個別の事情に大きく左右され、専門家の領域だからです。
言えるのは、「ビザ上できる」と「税務上問題ない」は別だということです。両方を確認する必要があります。
渡航前の税・社会保険の手続きは出発前の行政手続きの記事、帰国後の確定申告は帰国後手続きの記事で扱っています。いずれも一般的な整理であり、個別の判断は税理士など専門家にご相談ください。
あわせて読みたい香港のワーホリ|同一雇用主3か月の条件と申請の進め方日本語の情報には同一雇用主3か月とあるものがありますが、香港入境事務處の公式ページでは日本人は6か月です。3か月なのは豪それでも収入を確保したい場合の選択肢
制度の枠内で考えられる形
- ①渡航前に貯める:最も確実です。制度上のリスクがありません
- ②現地で雇用される:多くの国が認めている本来の形です。就労の月数制限は国によります
- ③自営業が認められる国を選ぶ:英国は条件つきで可としています
- ④渡航前に納品を終える:滞在中に労働しない形にできるなら、論点が変わる可能性があります
- ⑤ワーホリ以外の制度を検討する:就労や事業を目的とする滞在許可は別に存在します
そして②を選ぶなら、国ごとの就労制限を確認してください。デンマークは通算6か月、ノルウェーと香港は同一雇用主で6か月と、形が違います。就労制限の記事で整理しています。 あわせて読みたいワーホリ2回目|日本人が2回行ける4か国の使い方外務省の資料で日本人が一生涯2回参加できるとされているのはカナダ・スロバキア・韓国・台湾の4か国です。デンマークやドイツ
運営者の視点:この論点は、これから重くなります
制度が想定していなかった働き方が増えています
運営者がカナダにいた12か月間、オンラインで仕事を続けている人は周りにいませんでした。働くといえば現地の店やオフィスで、という時代でした。
ところが今は違います。日本の仕事を持ったまま渡航する人、現地で受託業務をする人、発信で収入を得る人。制度が書かれた当時には想定されていなかった形です。
だから当局の記載も、国によって温度差があります。英国のように条件を明示して認める国もあれば、オランダやデンマークのように明確に禁じる国もある。そして多くの国は、この点について詳しく書いていません。
「書いていない=認められている」ではありません。むしろ制度の趣旨——滞在の主目的は休暇であり、就労は資金を補うためのもの——に照らして判断される可能性があります。
だから提案します。オンラインの仕事を続ける予定があるなら、それを前提に国を選んでください。後から「できなかった」と分かると、収入計画そのものが崩れます。そして迷ったら、当局に直接問い合わせてください。メール1通で済む確認が、1年の計画を守ります。
ビザは条件を満たすかどうかより、「いつ動くか」で結果が変わる制度が多くあります。抽選、発給枠、年齢の上限。準備が整うのを待っていると、枠のほうが先に閉じます。
① 段取りごと相談する|留学ジャーナル
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② 2社目の見解を取る|ラストリゾート
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③ 現地で連絡が取れる状態を作る|Glocal eSIM
手続きも仕事探しも、連絡が取れないと止まります。注文から開通まで90日の猶予があるので、渡航前に買っておけます(公式サイトの記載・2026年8月確認)。到着してSIMを契約するまでの空白を、先に埋めておく選択肢です。
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よくある失敗
失敗①:「日本の仕事だから関係ない」と考える
ノルウェーはリモートワークを明示して制限しています。物理的な場所だけでは判断できません。
失敗②:書いていない国を「OK」と読む
制度の趣旨は休暇が主目的です。記載がないことは許可を意味しません。
失敗③:英国の条件を確認しない
認められていますが賃借物件・設備£5,000以下・従業員なしという条件つきです。
失敗④:費用を申請料だけで見る
英国は医療サーチャージが通常年£776。2年なら£1,552が別途かかります。
失敗⑤:ビザと税金を同じ問題だと思う
「ビザ上できる」と「税務上問題ない」は別です。両方の確認が要ります。
失敗⑥:渡航後に確認する
入国後では選び直せません。国を決める前に問い合わせてください。
今日からできる3つのこと
- ①契約の形式を確認する:雇用か業務委託かで扱いが変わり得ます
- ②行き先の当局に問い合わせる:メール1通で確認できます
- ③認められない場合の代替を決める:渡航前に貯める、現地で雇用される、国を変える
ワーキング・ホリデー中の自営業は、国によって答えが正反対です。英国は条件つきで認め、オランダとデンマークは明確に禁じています。
そして違反は、滞在許可の取り消しにつながる可能性があります。オンラインで仕事を続ける予定があるなら、国を決める前に確認してください。これは後から取り返せない種類の判断です。
本記事の内容はGOV.UK「Youth Mobility Scheme visa」、オランダ移民帰化局(IND)、デンマーク移民局(SIRI)、香港入境事務處(IMMD)、スウェーデン移民庁(Migrationsverket)、ノルウェー移民局(UDI)の各公式資料にもとづきます(いずれも2026年8月時点で確認)。本記事で扱っているのは、運営者が原文を確認できた国のみです。ここに記載のない国について、自営業が認められているという意味ではありません。オンラインでの業務委託や個人事業が各国でどう扱われるかは個別の事情によるため、本記事では「この働き方が適法である」という判断を示していません。また税務上の取り扱いについても、居住者判定や租税条約など個別の事情に左右されるため記載していません。制度・要件・金額は変更されます。必ず渡航先の当局に直接ご確認いただき、税務については税理士など専門家にご相談ください。本記事は法的助言ではありません。
よくある質問
ワーホリ中にフリーランスとして働けますか?
国によって答えが正反対です。英国はGOV.UKのYouth Mobility Schemeのページで、自営業として働き会社を設立することができると明記していますが、事業所を賃借していること、設備が£5,000を超えないこと、従業員がいないことという条件がついています。一方オランダの移民帰化局は「自営業者として働くことはできない」と明記し、デンマークの移民局も事業を営むことは認められないとしたうえで、違反すれば違法な労働とみなされ滞在許可が取り消される可能性があるとしています。渡航先の当局で必ず確認してください。
日本の仕事をオンラインで続けるのは大丈夫ですか?
国によっては就労とみなされ得ます。ノルウェーの移民局は、許可が与えられるまでリモートワークを含めて働き始めてはならないと記載しており、リモートワークという語が明示的に使われています。つまり物理的にどこで働くかではなく、滞在国にいる間に労働しているかどうかで判断される可能性があります。また許可が下りた後でも、それが自営業に該当すればオランダやデンマークでは禁止の対象になります。契約の形式が雇用か業務委託かを確認し、行き先の当局に問い合わせてください。
英国なら自由に自営業ができますか?
条件つきです。GOV.UKには、自営業として働き会社を設立することができるとしたうえで、事業所を賃借していること、設備が£5,000を超えないこと、従業員がいないことという条件が示されています。つまり一人で完結する小規模な事業という枠組みです。オンラインでの受託業務やフリーランスの制作業務はこの枠に収まる可能性がありますが、条件の解釈は当局の運用によるため、本記事では特定の仕事が該当するという判断は示しません。申請前に確認してください。
英国ワーホリの費用は申請料だけですか?
違います。GOV.UKは申請にあたって、申請料の支払い、医療サーチャージの支払い、十分な貯蓄の証明が必要としています。申請料は£340、医療サーチャージは通常年£776です。英国は最長24か月滞在できるため、2年ならサーチャージだけで£1,552となり、申請料と合わせて£1,892になります。さらに貯蓄£2,530の証明が別途必要です。2年いられるという利点の裏に、この費用構造があります。
制度に書かれていない国では自営業できますか?
書いていないことは認められていることを意味しません。多くの国は制度の趣旨として、滞在の主目的は休暇であり就労は旅行資金を補うためのものだと明記しています。スウェーデンは労働が渡航の主目的であってはならないとし、香港は常用雇用に就くことは認められず休暇に付随する一時的な就労のみとしています。記載がない場合でも、この趣旨に照らして判断される可能性があるため、自己判断せず当局に確認してください。
ビザで認められていれば税金の問題もありませんか?
別の問題です。仮に自営業が認められている国であっても、収入をどこに申告するかという問題が残ります。滞在国での納税義務が生じる場合もあれば、日本での申告が必要な場合もあります。居住者判定、滞在日数、収入の源泉、租税条約など個別の事情に大きく左右されるため、本記事では税務の判断を示していません。「ビザ上できる」と「税務上問題ない」は別であり、両方を確認する必要があります。税務については税理士など専門家にご相談ください。
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運営者は渡航前年収450万円から、帰国後に大手メーカーへ転職して800万円台になりました。使ったエージェントと3社並行の進め方をまとめています。
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本記事の制度・条件・金額は執筆時点で公開情報を確認したものです(確認日:2026年8月8日)。制度や料金は変更される場合があるため、実際の手続き・申請の前に各機関の公式情報を必ずご確認ください。本記事は法的・専門的な助言ではなく、特定の結果を保証するものではありません。