オランダ・ワーキングホリデーの判断基準|「いくら必要か」を自分で説明できますか【2026年版】

オランダのワーホリ|資金の基準額がない制度の見積もり方

数字から言います。というより、オランダには数字がありません。

他の国は資金要件の金額を明示しています。デンマークはDKK 15,000、スウェーデンはSEK 15,000、ノルウェーは月NOK 15,488、香港はHK$20,000。ところがオランダ移民帰化局(IND)の記載は「滞在中に十分なお金があること。必要な金額はあなたが見積もらなければならない」です。

金額の基準が示されていません。だから「いくら用意すれば通るのか」を、自分で説明できる形にする必要があります。

そしてもう1つ、就労の条件が独特です。INDは在留カードの裏面に記載される文言まで公開しており、「臨時的な労働(occasional work)」の意味をこう説明しています。「たとえばフルタイムで働くことはできる。ただし同一の雇用主のもとで1年間ずっと働くことはできない」。

論点は1つです。あなたは「いくら必要か」を自分で見積もれますか。

この記事は、オランダのワーホリを検討している人に向けて書いています。

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この記事を書いている立場:運営者はカナダで12ヶ月、米国で半年を過ごしましたが、オランダには渡航していません。現地の生活・仕事・家探しについての体験談は書きません。本記事は制度の情報を公的資料から整理したものです。
制度の内容はオランダ移民帰化局(IND)「Residence permit Working Holiday」公式ページ(最終更新:2026年4月2日)、発給枠は同ページおよび外務省「ワーキング・ホリデー制度」(令和8年4月1日現在)にもとづきます。
資金要件の具体的な金額は、INDの当該ページに記載がないため本記事でも示しません。現地の賃金・物価についても、公的に確認できる情報が得られなかったため記載していません。制度は変更されます。申請にあたっては必ずINDの公式ページで最新の要件を確認してください。本記事は法的助言ではありません。

結論:オランダの条件を整理します

項目日本国籍者の条件
年間枠200名(日本と韓国が最大。他4か国・地域は各100名)
年齢申請時に18歳以上、30歳を超えないこと
滞在最長1年。延長不可
就労フルタイム可。ただし同一雇用主で1年間は不可
自営業不可
就学短期の学習・コースは修了してよい
資金金額の明示なし(自分で見積もる)
保険オランダでの医療費をカバーするもの
過去の在留交換目的の在留許可を持っていたことがないこと
申請方法オンライン申請が可能(日本国籍は対象)

日本は最大枠の側にいます

INDによれば、アルゼンチン・ウルグアイ・香港・台湾は各国100名、日本と韓国は各国200名が上限です。参加国はこのほかにオーストラリア・カナダ・ニュージーランドがあります。

200名は日本のワーホリ協定国のなかでは少ない部類です。オーストリア・ハンガリーと同じ水準で、アイルランドの800名の4分の1にあたります。

枠が小さい国に共通する注意点は、情報も支援も蓄積されにくいことです。この点はマルタ・イタリアの記事でも扱いました。

出典:IND公式ページ(最終更新2026年4月2日)、外務省(令和8年4月1日現在)。

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最重要:「フルタイムで働ける。ただし1年間同じ職場はだめ」

INDは在留カードの裏面の文言まで公開しています
記載されるのは「WHP/WHSの枠内での臨時的な労働には就労許可は不要。それ以外の労働は認められない」という趣旨の文言です。
そしてINDは「臨時的な労働(occasional work)」の意味を説明しています。オランダでの滞在を経済的に支えるためだけに働けること。この場合、雇用主は就労許可(TWV)を取得する必要がないこと。そして——「たとえばフルタイムで働くことはできるが、同一の雇用主のもとで1年間ずっと働くことはできない。また自営業として働くこともできない。滞在の主たる目的が文化交流だからです」。
ここは他国と比べて独特です。デンマークは通算6か月、ノルウェー香港は同一雇用主で6か月。オランダは月数を示さず、「1年まるごとは不可」という形で線を引いています。
実務的な読み方:フルタイムで働ける点は有利です。ただし「何か月までなら同一雇用主で働けるのか」は明示されていません。長期で1社に勤める計画なら、申請前にINDへ直接確認してください。本記事では推測での月数は示しません。
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資金要件に金額がない、という特殊性

資金要件の示され方
オランダ金額の明示なし(自分で見積もる)
デンマークDKK 15,000+帰国分DKK 5,000
スウェーデンSEK 15,000+帰国航空券
ノルウェー月NOK 15,488×3か月=NOK 46,464
香港HK$20,000以上

「基準がない」ことは、緩いという意味ではありません

INDの記載は「オランダ滞在中に十分なお金があること。必要な金額はあなたが見積もらなければならない」です。つまり judgement が申請者側に委ねられています。

だから逆に、根拠を示せる形で用意するほうが安全です。他国が示している水準(おおむね現地通貨で15,000〜20,000相当)は1つの目安になりますが、これはあくまで他国の基準であり、オランダの基準ではありません。

やること:①家賃・食費・交通費・保険料の月額を調べて自分の生活費を積み上げる仕事が見つからない期間を3か月分は見込む ③帰国航空券の分を加える。

そして重要な制限があります。INDは「オランダの公的資金からの社会給付を受けてはならない」と明記しています。資金が尽きたときに公的支援に頼る前提は成立しません。費用の枠組みは費用の記事で扱っています。

本記事で金額を書かない理由
民間の情報サイトには具体的な金額を示しているものがありますが、INDの当該ページには記載がありません。
だから本記事でも書きません。数字を書けば読者は安心しますが、その数字で申請が通る保証はどこにもないからです。「◯◯万円あれば大丈夫」と書いて、それで不許可になったとき、責任を負うのは読んだ人です。
確認する先:INDの公式ページ、および日本との覚書(MoU)または口上書。INDは「自国の覚書または口上書に定められた要件を満たすこと」を要件のひとつに挙げています。
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過去に「交換目的」の在留許可を持っていた人は対象外

ワーホリ以外も含まれる可能性があります

INDの要件に「以前にオランダで交換(exchange)を目的とする在留許可を持っていないこと」とあります。

これは「ワーホリを2回はできない」よりも広い表現です。INDはこのページを「オペア(au pair)と交換」というカテゴリの中に置いており、交換目的の在留許可はワーキング・ホリデー以外にも存在し得ます。

だから、過去にオランダで何らかの交換プログラムに参加した経験がある方は、申請前に確認してください。本記事では、どの許可が該当するかの判断は示しません。個別の判断が必要な領域だからです。

そして申請時の居住地についても条件があります。INDは覚書の例として「申請を提出する時点で、自分の国籍の国に住んでいること」を挙げています。

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延長できません。そして情報提供の義務があります

2つの制限を押さえてください
①延長不可。INDは「ワーキング・ホリデーの在留許可は延長できない」と明記しています。在留許可は最長1年、種別はtype I(一時的な通常在留許可)です。
②情報提供の義務。INDは「状況に変化があった場合、INDに届け出る義務がある」とし、義務を果たしていない場合は行政上の過料(administrative fine)を科される可能性があると記載しています。
ここは見落とされやすい項目です。住所の変更、状況の変化など、何を届け出るべきかはINDの「情報提供義務」のページで確認してください。
「知らなかった」では済まない可能性があります。渡航後の手続きは到着後ガイドで扱っていますが、国ごとの届出義務は必ず当局のページで確認してください。
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申請の方法と、時期の注意

日本国籍はオンライン申請の対象です

INDによれば、オンライン申請フォームを使えるのはオーストラリア・カナダ・ニュージーランド・日本・韓国の国籍者で、かつオランダで初めて在留許可を申請する場合です。日本は対象に含まれます。

ただし注意書きがあります。INDは「日本または韓国の国籍の場合、現時点で申請できるかどうかを『手続と費用』のステップ3で確認してください」と案内しています。つまり時期によって受付状況が変わる可能性があります。

枠が200名である以上、受付の状況は年内で動くと考えるのが自然です。ただし受付の開始時期や配分について、INDの当該ページに具体的な記載はありません。民間サイトには時期を示すものがありますが、本記事では一次情報で確認できないため記載しません。

オンラインで申請できない場合は、紙の様式(フォーム7520)が用意されています。手続の流れには、申請 →費用の支払い →決定 →MVV査証シールと在留カードのための予約という段階があります。

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運営者の視点:金額が書かれていない制度は、準備の質が問われます

基準がないほうが、実は難しい

運営者はオランダに行っていません。語れるのは、他国と読み比べて見えた構造だけです。

資金要件に金額が書かれている国のほうが、準備は楽です。デンマークならDKK 15,000を用意すればいい。ところがオランダは「必要な額は自分で見積もれ」と言っています。

これは一見自由に見えて、実際には厳しい条件です。基準がないということは、「足りている」と判断されるかどうかが、あなたの説明の質にかかるということだからです。

運営者がカナダへ行ったときのことを思い出します。資金は「これくらいあれば大丈夫だろう」という感覚で用意しました。幸い問題は起きませんでしたが、いくら必要かを積み上げて計算したわけではありません。実際、渡航後に想定より支出が多く、働き始める時期を早めることになりました。

あのとき積み上げ計算をしていれば、最初の数か月の過ごし方は変わっていたはずです。焦って仕事を決めず、もう少し語学に時間を使えたかもしれない。

だからオランダを検討している人には、この「見積もれ」という要求を、面倒ではなく親切だと受け取ることを勧めます。家賃・食費・交通・保険を月額で積み上げ、仕事がない期間を3か月見込み、帰国分を足す。この計算は、申請のためだけでなく、現地での判断を楽にします。お金の不安は、選択肢を狭めるからです。

ビザは条件を満たすかどうかより、「いつ動くか」で結果が変わる制度が多くあります。抽選、発給枠、年齢の上限。準備が整うのを待っていると、枠のほうが先に閉じます。

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よくある失敗

失敗①:他国の金額基準をそのまま当てはめる

オランダには金額の明示がありません。自分の生活費から積み上げてください。

失敗②:同一雇用主で1年働く計画を立てる

フルタイムは可能ですが、1年間ずっと同じ雇用主は認められません。

失敗③:自営業・フリーランスで働こうとする

INDは自営業として働くことを認めていません。

失敗④:過去の交換プログラムを申告しない

要件は「交換目的の在留許可を持っていないこと」で、ワーホリに限りません。

失敗⑤:届出義務を軽く見る

状況の変化を届け出る義務があり、怠ると過料の可能性があるとされています。

失敗⑥:延長できる前提で計画する

延長できません。最長1年で区切られます。

今日からできる3つのこと

オランダは、フルタイムで働けて、短期の学習も認められる制度です。オンライン申請にも対応しています。

ただし資金の基準が示されておらず、就労の上限も月数では書かれていません。つまり「自分で考えて、説明できる人」向けの制度だと言えます。数字が用意されていないぶん、準備の質がそのまま結果に出ます。

本記事の制度内容はオランダ移民帰化局(IND)「Residence permit Working Holiday」公式ページ(最終更新:2026年4月2日)、年間発給枠は同ページおよび外務省「ワーキング・ホリデー制度」(令和8年4月1日現在)にもとづきます。資金要件の具体的な金額、同一雇用主のもとで働ける月数、申請受付の開始時期については、INDの当該ページに記載がないため本記事でも示していません。現地の賃金・物価・仕事の探しやすさについても、公的に確認できる情報が得られなかったため記載していません。制度・要件は変更されるため、申請にあたっては必ずINDの公式ページおよび日本との覚書(MoU)・口上書で最新の情報を確認してください。過去の在留許可が「交換目的」に該当するかどうかなど個別の判断については、本記事では判断を示していません。INDまたは専門家にご確認ください。本記事は法的助言ではありません。運営者はオランダに渡航しておらず、現地の生活に関する体験談は含んでいません。

よくある質問

オランダのワーホリに必要な資金はいくらですか?

オランダ移民帰化局(IND)の当該ページには金額が明示されていません。記載は「オランダ滞在中に十分なお金があること。必要な金額はあなたが見積もらなければならない」というものです。他国は金額を示しており、デンマークはDKK 15,000、スウェーデンはSEK 15,000、ノルウェーは月NOK 15,488の3か月分、香港はHK$20,000ですが、これらはあくまで他国の基準でオランダの基準ではありません。家賃・食費・交通費・保険料の月額を積み上げ、仕事が見つからない期間を3か月分見込み、帰国航空券を加える形で自分で計算してください。なおINDはオランダの公的資金からの社会給付を受けてはならないと明記しています。

フルタイムで働けますか?

働けます。INDは在留カードの裏面に記載される文言として「WHP/WHSの枠内での臨時的な労働には就労許可は不要、それ以外の労働は認められない」という趣旨を示したうえで、臨時的な労働の意味を説明しています。たとえばフルタイムで働くことはできるが、同一の雇用主のもとで1年間ずっと働くことはできない、また自営業として働くこともできない、というものです。滞在の主たる目的が文化交流だからとされています。ただし何か月までなら同一雇用主で働けるのかは明示されていないため、長期で1社に勤める計画がある場合はINDへ直接確認してください。

年間の定員は何名ですか?

日本と韓国は各国200名で、これが参加国のなかで最大です。アルゼンチン・ウルグアイ・香港・台湾は各国100名とされています。参加国にはこのほかオーストラリア・カナダ・ニュージーランドがあります。なお200名は日本のワーホリ協定国のなかでは少ない部類で、オーストリアやハンガリーと同じ水準、アイルランドの800名の4分の1にあたります。枠が小さい国は情報や支援も蓄積されにくい点に注意してください。

過去にオランダに滞在したことがあると申請できませんか?

要件として「以前にオランダで交換(exchange)を目的とする在留許可を持っていないこと」が挙げられています。これは「ワーホリを2回はできない」よりも広い表現です。INDはこのページをオペアと交換というカテゴリの中に置いており、交換目的の在留許可はワーキング・ホリデー以外にも存在し得ます。過去にオランダで何らかの交換プログラムに参加した経験がある方は、申請前にINDへ確認してください。なお申請を提出する時点で自分の国籍の国に住んでいることも要件とされています。

申請はオンラインでできますか?

できます。INDによれば、オンライン申請フォームを使えるのはオーストラリア・カナダ・ニュージーランド・日本・韓国の国籍者で、かつオランダで初めて在留許可を申請する場合とされており、日本は対象に含まれます。ただし注意書きがあり、日本または韓国の国籍の場合は現時点で申請できるかどうかを「手続と費用」のステップ3で確認するよう案内されています。つまり時期によって受付状況が変わる可能性があります。オンラインで申請できない場合は紙の様式(フォーム7520)が用意されています。

滞在を延長できますか?

できません。INDはワーキング・ホリデーの在留許可は延長できないと明記しており、在留許可は最長1年、種別はtype I(一時的な通常在留許可)です。また見落とされやすい点として、情報提供の義務があります。INDは状況に変化があった場合はINDに届け出る義務があるとし、義務を果たしていない場合は行政上の過料を科される可能性があると記載しています。何を届け出るべきかはINDの情報提供義務のページで確認してください。

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本記事の制度・条件・金額は執筆時点で公開情報を確認したものです(確認日:2026年8月8日)。制度や料金は変更される場合があるため、実際の手続き・申請の前に各機関の公式情報を必ずご確認ください。本記事は法的・専門的な助言ではなく、特定の結果を保証するものではありません。